焼却炉と炭化炉の違い、国からの報告
答弁本文情報
平成十七年八月二日受領
答弁第一〇六号
内閣衆質一六二第一〇六号
平成十七年八月二日
内閣総理大臣 小泉純一郎 衆議院議長 河野洋平 殿
参考にしたい各装置;
▶ 過熱蒸気式炭化装置とは;こちら
▶ 他社炭化装置との比較;こちら
▶ 本炭化装置開発目的とメカニズ;こちら
炭化炉(熱分解装置)と焼却炉、及びその設置許可に関する質問主意書
炭化炉(熱分解装置)は、焼却炉とは構造も法の規定も異なる。焼却炉は燃焼に必要な空気を供給し、炭化炉は熱により分解する構造である。法の規定に関しては、焼却炉(施設)は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第十五条(施行令第七条第十三号の二、施行規則第十二条の二第五項)に該当し、炭化炉(熱分解装置)は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」第三条第二号「ロ」(施行規則第一条の七の二「熱分解設備の構造」)に該当する。
これについて、以下質問する。
(一) 政府は、構造上、そして法の規定も異なる炭化炉(熱分解装置)は焼却施設に該当しないと認識しているか。
(二) 焼却施設設置については、都道府県知事、政令市市長の設置許可の必要性があるものに該当するが、炭化炉(熱分解装置)については焼却施設ではないが故に設置許可の必要性があるものに該当しないものと思われる。政府はそれを認めるか。
(三) 都道府県知事、政令市市長は、炭化炉(熱分解装置)について、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長名の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令等の施行について(通知)」(平成十七年二月十八日付、環廃対発第050218003号、環廃産発第050218001号)にしたがっているとのことである。そもそもこの種の通達は、環境省の法解釈を示したものであり、一種の行政指導である。ちなみに、行政指導は、行政手続法第三十二条から三十四条により、行政指導にしたがわなくても不利益を受けないことを保証している。そして、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」第三条第二号「ロ」の規定には、同通知第一・1・(1)・エ「処理に伴って生じた不要なガスの適正処理」の「なお、当該ガスを当該設備で燃焼させる場合」の規定はない。そもそも「当該ガスを当該設備で燃焼させる場合」の定義が不明、つまり炭化炉(熱分解装置)の出口での燃焼を想定しているのか、炭化ガスを別の装置、例えば蒸気ボイラー、発電、その他の燃料などとして、化石燃料の代替としてバイオマスをエネルギーとして利用する場合は含まないのかなど不明である。これについて、
(イ) 「当該ガスを当該設備で燃焼させる場合」の定義を示されたい。
(ロ) このような、あくまでも環境省の法解釈を示したにすぎない通知をもって都道府県知事、政令市市長の決定により、炭化炉(熱分解装置)は焼却施設とされるならば、炭化炉(熱分解装置)と焼却炉のそれぞれの法規定があること自体が不自然になる。これについて、政府はどのような認識を持っているか。
(ハ) 都道府県知事、政令市市長が炭化炉(熱分解装置)について設置許可が必要であるという立場をとり、政府が炭化炉(熱分解装置)については設置許可は不要という立場をとった場合、見解の相違が生じるが、国民はどちらの立場を尊重すべきであるか。
右質問する。
炭化炉(熱分解装置)と焼却炉、及びその設置許可に関する回答
衆議院議員若井康彦君提出炭化炉(熱分解装置)と焼却炉、及びその設置許可に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
・廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「法」という。)第十五条第一項の設置の許可を受けなければならないこととされている産業廃棄物処理施設である焼却施設(以下「産業廃棄物の焼却施設」という。)には、物を加熱してガス化させた後そのガスを当該施設の別の空間で燃焼させる処理を行う施設も含むものであり、このような施設については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和四十六年厚生省令第三十五号)第十二条の二第六項第一号等において、産業廃棄物の焼却施設として取り扱われているところである。
したがって、御指摘の「炭化炉(熱分解装置)」については、加熱により物を分解する施設のうち、燃焼させる処理を伴わないものは産業廃棄物の焼却施設に該当しないが、燃焼させる処理を伴うものは産業廃棄物の焼却施設に該当し、法第十五条第一項の設置の許可を受けることが必要である。
・「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令等の施行について」(平成十七年二月十八日付け環廃対発第〇五〇二一八〇〇三号・環廃産発第〇五〇二一八〇〇一号環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長通知。以下「部長通知」という。)第一の1の(1)のエにいう「当該ガスを当該設備で燃焼させる場合」とは、熱分解室から発生したガスを当該熱分解室と一体的に機能する別の空間で燃焼させる場合をいう。
・廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四十六年政令第三百号。以下「令」という。)第三条第二号ロにおいて、熱分解とは、「物を処分するために、燃焼を伴わずに加熱により分解すること」と定義されており、部長通知は、廃棄物の処理に伴って生じた不要なガスの燃焼を伴う場合には、その処理全体として同号ロに規定する熱分解に該当しない旨を確認したものであるから、部長通知の内容は、令において、焼却施設及び熱分解設備について、それぞれ規定を設けていることと矛盾するものではない。
・御指摘の「炭化炉(熱分解装置)」については、加熱により物を分解する施設のうち、燃焼させる処理を伴わないものは産業廃棄物の焼却施設に該当しないが、燃焼させる処理を伴うものは産業廃棄物の焼却施設に該当し、法第十五条第一項の設置の許可を受けることが必要であり、こうした見解に基づき、都道府県知事(保健所を設置する市にあっては、市長)が個別の施設について産業廃棄物の焼却施設に該当するか否かの判断を行うものであると考えている。
質問本文情報
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平成十七年七月二十五日提出
質問第一〇六号
炭化炉(熱分解装置)と焼却炉、及びその設置許可に関する質問主意書
提出者 若井康彦
許可申請について
・排出ガスを焼却すると焼却炉になり、焼却炉は設置許可・環境アセスが必要になります。熱分解炉であれば役所・消防署への届けが必要になります。
・産廃ごみを炭化処理する場合は、焼却扱いになります。但し産廃ごみを有料で購入の場合は、ゴミから原料の扱いになる場合もあります。扱いは自治体の産業廃棄物対策課が窓口です。
・装置を設置する場所の都道府県庁、市役所でご確認ください。自治体により対応が変ります。
・本装置は焼却炉でなく,酸素を使わない過熱水蒸気式熱分解炉で、ダイオキシン・CO2等のガスは発生しません。
各種熱分解・油化・炭化装置
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